
世界に歪みが生じれば、英雄が選ばれる。遺跡に挑み、己が最も恐れるものを打ち倒した者は、歪みを具現化する力を――英雄になる資格を得る。力を得た英雄は歪みの中心へ向かい、具現化された歪みの中心と戦い、世界を修復して、そして――終わる。
あんたは転生しながらずっとその旅を繰り返してきた。逃げだすことも、諦めることもできずに、ずっと、ずっと――
って言うけど、実は今回のあんたは英雄じゃないんだ。なんせ最初の試練に失敗しちまったからな。
最も恐れるものの姿をしているはずの試練の怪物は、今回はなぜか無垢なる少女ってやつだった。そんなの心優しい英雄様に殺せるわけねえよなあ?
そんなわけで、今回の旅は特別だ。誰が世界を修復するための生贄になるのか、あんたにも終わりはわからない。
だが、俺様の語る物語はいつだってハッピーエンドだ。覚えておけよ、英雄様。
あきらめたらそこで試合終了、ってな。
(とある英雄の旅に同行した吟遊詩人の独白より)