No.191

#語彙トレ2026 01/11 - 噤む

 荷物持ちさせられて、昼メシまで奢らされて、という言葉の割にまんざらでもなさそうなレグルスの愚痴を聞かされながら、それはデートなのでは、とユリウスは思ったが、賢明にも口を噤む。
「そうなんだよ」
 何も言っていないのに何かに同意したことになったらしい。
「あいつほんとに、昔っから俺のこと使いっ走りかなんかだと思ってて」
 原因は恐らく、別れ際に喧嘩をしたことだろう。怒声が訓練所の中庭から資料室の奥まで届いていた。
 長くなりそうだな、と、ユリウスは脳内で密かにこの後のスケジュールを組み直し始めた。

創作