No.211

#語彙トレ2026 01/31 - 終焉

 祈導教会という組織は、歪みを封印する旅を支援させ、封印が有効な間に根本的な解決策を探させるには有用な組織だった。人びとの信仰心を集めるために過去の自分が英雄と呼ばれ神格化されているのには閉口したが、人や金や情報を集めるには宗教を利用するのが一番手っ取り早かったのだろう。
 有用であるからこそ、人びとが英雄に求めるイメージは保たなければならない。
 常に冷静で穏やかで迷わず、執着せず、傷つくことを恐れない英雄。
 それは指針であり、枷であり、盾だった。終焉のない旅路を繰り返しながら、置き去りにするとわかっていて人と深く関わることは、苦しかったから。

創作