No.219

#語彙トレ2026 02/07 - 深淵

 淡い虹色の煌めきが舞う。祝祭を彩る花吹雪のようなそれが、滅びの前兆だ。
 舞い踊る光は引き付けられるように人に群がり、歪みの核にしてしまう。核となった人間は誰も触れることのできない虹色の怪物となり、周囲のものを呑み込みながら膨れあがり、やがて空間そのものを呑み込むような「穴」を出現させて消える。その穴は数日の時間をかけて縮み、やがて消えるけれど、それまでは触れたものすべてを呑み込む深淵だ。
 その向こうに何があるのかは、誰も知らない。歪みに呑み込まれて帰ってきた者はいないからだ。
 歪みの核を具現化させて倒すことが、現状では唯一の対抗策だった。

創作