No.185, No.184, No.183, No.182, No.181, No.180, No.179[7件]
#語彙トレ2026 01/04 - 軋轢
「この件で軋轢が生じるのは仕方のないことでしょう。人道に反することは確かですから」
「そうは言ってももう決まったことだろ」
いつものたまり場でため息をついたリーアに、大男のセルゲイは思いきり肩をすくめてみせた。大股を広げてソファに陣取るその膝を、ダリアが「邪魔だよ」と蹴っ飛ばす。
「子どもつったって俺らにとっちゃ主戦力だ。外せねえよ」
ソファの隅に追いやられながら向けられた視線に、ユリウスは静かに頷いた。
「駄目だと言われても僕は行きますよ。自分で決めたことですから」
「この件で軋轢が生じるのは仕方のないことでしょう。人道に反することは確かですから」
「そうは言ってももう決まったことだろ」
いつものたまり場でため息をついたリーアに、大男のセルゲイは思いきり肩をすくめてみせた。大股を広げてソファに陣取るその膝を、ダリアが「邪魔だよ」と蹴っ飛ばす。
「子どもつったって俺らにとっちゃ主戦力だ。外せねえよ」
ソファの隅に追いやられながら向けられた視線に、ユリウスは静かに頷いた。
「駄目だと言われても僕は行きますよ。自分で決めたことですから」
#語彙トレ2026 01/03 - 熾火
「なるほど、天才と言われるだけはある」
世界が歪みに呑み込まれるにつれてあらゆる規制と法律が形骸化していく中で復活した、紙巻き煙草とかいう身体に悪そうな嗜好品をくゆらせながら、アシュトンは笑った。
「立ち上がれなくなるまで叩きのめしておいて出す評価ではないと思いますが」
「噛みつく元気まで残ってるじゃねえか」
笑う男の手の中で、小さな熾火が言葉に合わせて光る。初対面の印象は、腹立つな、の一言だった。
「なるほど、天才と言われるだけはある」
世界が歪みに呑み込まれるにつれてあらゆる規制と法律が形骸化していく中で復活した、紙巻き煙草とかいう身体に悪そうな嗜好品をくゆらせながら、アシュトンは笑った。
「立ち上がれなくなるまで叩きのめしておいて出す評価ではないと思いますが」
「噛みつく元気まで残ってるじゃねえか」
笑う男の手の中で、小さな熾火が言葉に合わせて光る。初対面の印象は、腹立つな、の一言だった。
#語彙トレ2026 01/02 - 凍てつく
吐く息が白い。凍てつくような冷たく澄んだ夜空に、月がはっきりとした輪郭を描き、満月の光の中でもなお無数の星々が瞬いている。二千年以上前に見た空はもっと明るくて、ほとんどの星はその光の中に沈んでいた。あのころ、地上で灯されていた光が、そこにあった人びとの営みが、夜空に上がっていってしまったようだ。自分一人を残して。
暗い地上から無数の星を見上げながら、思う。あとどれだけ繰り返せば、終わりにできるのだろうか、と。
吐く息が白い。凍てつくような冷たく澄んだ夜空に、月がはっきりとした輪郭を描き、満月の光の中でもなお無数の星々が瞬いている。二千年以上前に見た空はもっと明るくて、ほとんどの星はその光の中に沈んでいた。あのころ、地上で灯されていた光が、そこにあった人びとの営みが、夜空に上がっていってしまったようだ。自分一人を残して。
暗い地上から無数の星を見上げながら、思う。あとどれだけ繰り返せば、終わりにできるのだろうか、と。
#語彙トレ2026 01/01 - 端緒
「これを端緒にあたしらの反撃が始まるんだ! 皆、抜かるんじゃないよ!」
戦いの前に剣を掲げてそう叫んだ女の名前を覚えている。討伐隊で最年長だったダリア。「応!」と答えた皆の声に、普段は大声を出さないダミアンの声も確かに混じっていたのも覚えている。いつもの不敵な笑みとともに先陣を切ったアシュトンの背中も。かつての自分が具現化した歪みの怪物たちを、撃ち墜としていく仲間たちの銃声も。
いつも兄貴面をしていたレグルスが最後に叫んだ、「来世で会おう」という言葉も。
忘れられない。忘れるわけにはいかない。約束が果たされる日が、永遠に来なかったとしても。
「これを端緒にあたしらの反撃が始まるんだ! 皆、抜かるんじゃないよ!」
戦いの前に剣を掲げてそう叫んだ女の名前を覚えている。討伐隊で最年長だったダリア。「応!」と答えた皆の声に、普段は大声を出さないダミアンの声も確かに混じっていたのも覚えている。いつもの不敵な笑みとともに先陣を切ったアシュトンの背中も。かつての自分が具現化した歪みの怪物たちを、撃ち墜としていく仲間たちの銃声も。
いつも兄貴面をしていたレグルスが最後に叫んだ、「来世で会おう」という言葉も。
忘れられない。忘れるわけにはいかない。約束が果たされる日が、永遠に来なかったとしても。
巨大タロース作りのためにチャイ・ヌズを説得するところで水晶公が不可能に挑戦した過去の友人の話をするとき、新生でシドの唐突な過去話が流れたときの曲入れてくるの、わかってる演出なんだよな……
#FF14
#FF14
#今年のまとめ2025 その2:今年印象に残った本!
1. #赤毛のアン シリーズ
昔からチャレンジしては戦争始まったあたりで挫折してたけどやっとシリーズ通して読めた! なんだかんだで一巻のアンが一番印象に残るというか、今の年齢になると親戚の子どもを見るような目で見てしまう……。昔はアンの視点で読んでたけど今読むとマリラ視点で読んでしまうんですよね。マリラの視点から見るアンってめちゃくちゃ面白い。とんでもないことをしでかしたり巻き込まれたりするアンを笑いそうになりながらがんばって厳しい表情を作って教育しているマリラ、時々我慢できずに笑っちゃってるところも含めてすごく良い大人だ~! 素敵だ!!! 戦争あたりになるとやっぱりつらい。「戦争というのは地獄のように恐ろしく、いまわしいものだ――こんな恐ろしくていまわしいものが、二十世紀の文明国家のあいだで起こるわけがない」という台詞が刺さりますね。信じられないことに二十一世紀になってもやってるんだよこれが……
2. #動物には何が見え、聞こえ、感じられるのか 人間には...
人間以外の生物がどんな器官でどんなふうに世界を感知しているのか、その研究成果を紹介した本。人間の感覚では人間の感覚しかわからないんだなというか、究極的には自分で感じていないことは同じ人間でも本当に同じように感じているかはわからないよね、ということをすごく考える。想像もつかない感覚世界のことをなんとか想像しながら読むのがとても楽しかった!
3. #ペンギンにさよならをいう方法
登場人物みんな欠点がありつつも優しくて愛おしい。ペンギンはかわいい!!! 雰囲気でなんとなくわかっていたけど人間ドラマで泣かされるやつです。主人公のおばあちゃんが良いキャラしている。いろいろと難しいところもあるおばあちゃんだけど、そのパワフルさが良い……。いきなり南極に行っちゃうのすごい行動力よ! まわりは振り回されるけどw
4. #人びとの社会戦争 日本はなぜ戦争への道を歩んだのか
「普通の人々」がなぜ戦争に惹かれ、支持したのか、膨大な一次資料を使って検討した本でとても面白かった。戦争が決してトップダウンで始まったわけではないこと、世論の暴走の恐ろしさ、人の生き様に口を出してしまう人間の性とその行き着く先、この本で書かれている社会戦争が今も続いてるな、と確かに思えること。いろいろ考えてしまう本だった。
積ん読本は去年よりさらに増えて倍くらいになっており、そろそろブックトラックに載らなくなっているので読む時間……いっぱい欲しいですね! 1月早々にデスマーチ再開することわかってるけどね! 取らなきゃいけない振休も取る暇がなくて泣いてる……
1. #赤毛のアン シリーズ
昔からチャレンジしては戦争始まったあたりで挫折してたけどやっとシリーズ通して読めた! なんだかんだで一巻のアンが一番印象に残るというか、今の年齢になると親戚の子どもを見るような目で見てしまう……。昔はアンの視点で読んでたけど今読むとマリラ視点で読んでしまうんですよね。マリラの視点から見るアンってめちゃくちゃ面白い。とんでもないことをしでかしたり巻き込まれたりするアンを笑いそうになりながらがんばって厳しい表情を作って教育しているマリラ、時々我慢できずに笑っちゃってるところも含めてすごく良い大人だ~! 素敵だ!!! 戦争あたりになるとやっぱりつらい。「戦争というのは地獄のように恐ろしく、いまわしいものだ――こんな恐ろしくていまわしいものが、二十世紀の文明国家のあいだで起こるわけがない」という台詞が刺さりますね。信じられないことに二十一世紀になってもやってるんだよこれが……
2. #動物には何が見え、聞こえ、感じられるのか 人間には...
人間以外の生物がどんな器官でどんなふうに世界を感知しているのか、その研究成果を紹介した本。人間の感覚では人間の感覚しかわからないんだなというか、究極的には自分で感じていないことは同じ人間でも本当に同じように感じているかはわからないよね、ということをすごく考える。想像もつかない感覚世界のことをなんとか想像しながら読むのがとても楽しかった!
3. #ペンギンにさよならをいう方法
登場人物みんな欠点がありつつも優しくて愛おしい。ペンギンはかわいい!!! 雰囲気でなんとなくわかっていたけど人間ドラマで泣かされるやつです。主人公のおばあちゃんが良いキャラしている。いろいろと難しいところもあるおばあちゃんだけど、そのパワフルさが良い……。いきなり南極に行っちゃうのすごい行動力よ! まわりは振り回されるけどw
4. #人びとの社会戦争 日本はなぜ戦争への道を歩んだのか
「普通の人々」がなぜ戦争に惹かれ、支持したのか、膨大な一次資料を使って検討した本でとても面白かった。戦争が決してトップダウンで始まったわけではないこと、世論の暴走の恐ろしさ、人の生き様に口を出してしまう人間の性とその行き着く先、この本で書かれている社会戦争が今も続いてるな、と確かに思えること。いろいろ考えてしまう本だった。
積ん読本は去年よりさらに増えて倍くらいになっており、そろそろブックトラックに載らなくなっているので読む時間……いっぱい欲しいですね! 1月早々にデスマーチ再開することわかってるけどね! 取らなきゃいけない振休も取る暇がなくて泣いてる……

「歪みの淵源が何であるか、結局僕らはそれを突き止められないまま、戦うことになる」
わかっていることは一つだけ、と、複雑な魔術式を組み上げながらダミアンは言う。本人が言うところの「太りやすい体質」が原因だとしても少しばかり無駄が多すぎる体格の向こうで、無駄のない美しい術式が小さな核材に白い光の波紋を描く。
「真の原因を突き止めない限り、同じことが繰り返されるということだ。それでも」
ユリウスの持ち込んだ弾丸に核材を埋め込みながら、ダミアンは一つ、頷いた。
「時間稼ぎには意味がある。僕はそう信じてる」