No.222, No.221, No.220, No.219, No.218, No.217, No.2167件]

#語彙トレ2026 02/08 - 禁忌

「聞いての通り、この作戦は命と引き替えに歪みの元を封印するというものだ。本来ならば、このような作戦に君たちのような未来のある若者を招聘することはあり得ない」
 討伐隊が結成された初日、リーアとセルゲイを両脇に控えさせたダリアはユリウスとレグルスを前にそう淡々と告げた。
「しかし、このままでは君たちに残すべき未来すらも危うい。それが、我々が君たちを招聘し、禁忌を犯すと決めた理由だ」
「禁忌……?」
 思わず漏れ出たユリウスの疑問を咎めることもなく、ダリアは静かに頷く。
「そう。極秘事項なので今日まで明かせなかったが、この作戦には魂の操作も含まれている」

創作

グレムくん! 怪しすぎるよグレムくん! 声で疑って悪かったと思ってるけど声を抜きにしても怪しい……疑惑の目で見てしまう……
#AFK_Journey

ゲーム

#語彙トレ2026 02/07 - 深淵

 淡い虹色の煌めきが舞う。祝祭を彩る花吹雪のようなそれが、滅びの前兆だ。
 舞い踊る光は引き付けられるように人に群がり、歪みの核にしてしまう。核となった人間は誰も触れることのできない虹色の怪物となり、周囲のものを呑み込みながら膨れあがり、やがて空間そのものを呑み込むような「穴」を出現させて消える。その穴は数日の時間をかけて縮み、やがて消えるけれど、それまでは触れたものすべてを呑み込む深淵だ。
 その向こうに何があるのかは、誰も知らない。歪みに呑み込まれて帰ってきた者はいないからだ。
 歪みの核を具現化させて倒すことが、現状では唯一の対抗策だった。

創作

#語彙トレ2026 02/06 - 遡及

「つまり~、過去に遡及して記憶を記録する方法を思いついたわけえ」
 フレアの間延びした言葉を、ダミアンが真剣な表情で聞き取ろうとしている。
「記憶というか意識そのものを魂に刻み込む感じだねえ。あ、ほんとに刻み込むわけじゃないんだけどお」
「それはわかったから術式を早く」
 先ほどから堪えきれない様子で貧乏揺すりをしていたダミアンが、ついに先を促した。
「えー」
 フレアが不満げに唇を尖らせながら描いた魔術式は、ユリウスから見てもどうやって動いているのか不思議に思えるほど混乱していた。
「これを……読み解くのか……」
 ダミアンの眼鏡が絶望に曇る。

創作

#語彙トレ2026 02/05 - 微睡

 微睡の中で、歌を聞いた。遠くから微かに響く、懐かしい歌声。その声がもう夢の中でしか聞くことができないものだと、ユリウスは知っている。
「母さん」
 呟いた自分の声で、目が覚める。ゆっくりと目を開けると、レグルスが心配そうにこちらをのぞきこんでいた。
「なあ、大丈夫か? なんかすげえ疲れてるみたいだけど」
「そうですね。確かに少し根を詰め過ぎたかもしれません。気をつけます。倒れている時間はないので」
「いや、そうじゃなくてさ」
 レグルスは少し呆れたように目を細め、次いで急にユリウスの頭をわしゃわしゃとかき混ぜた。
「心配すんだろって言ってんの」

創作

#語彙トレ2026 02/04 - 残照

 残照の中に浮かび上がる遺跡が、僅かに以前討伐隊の面々と暮らした基地の名残をとどめているのを見る。歪みに侵食されたのだろう、不自然な円形に欠けたかつての統合本部は、夕日の中に黒くその巨体を浮かび上がらせている。
 見捨てられた大地を越えなければ辿り着けないこの場所に当然人の気配はなく、ただ荒涼とした建築物の名残と、それを覆う植物があるばかりだ。数百年という年月が、かつての生活を跡形もなく消し去ってしまった。基地の隅にあったはずの宿舎も、撤去でもされたのか跡形すらもない。
 ――ここにはもう、何もない。
 ただそれを確かめるための寄り道だった。

創作